ベジタリアンの胃腸は健康的

Vegetarian Nutrition & Health Letter. Nov/Dec 2003 vol.6, No.10より

過敏性腸疾患などのように要因がよくわからない病気においては、ベジタリアンの罹病率が低いという証拠はどこにもありません。しかし、これらの病気は明らかに食事と関係しているので、菜食に予防効果があると言っても驚くにはおよびません。研究ではベジタリアンの男女は非菜食者に比べて憩室症になる確立がわずか50%であることを示しています(1)。たくさんの食物繊維を含んでいるのですから、菜食が予防的であることに疑いはありません。卵乳菜食者は非菜食者より50100%も多く繊維を摂取しており、完全菜食者にいたっては卵乳菜食者よりも摂取量が多くなっています。高繊維食によって便の量は増え、柔らかくなるため、排出されやすくなります。ある研究によるとベジタリアンの便の重さは非菜食者や憩室症患者の便よりも23倍重い事が報告されています(2)。

 しかし、食物繊維の摂取源は植物性食品からのみであるため、ベジタリアンでも野菜や果物を充分摂取していなかったり、未精製の穀物や豆類を日常的に摂取していなかったりすると充分な食物繊維が摂れません。欧米のベジタリアンはその他の地域に住む人々より憩室症にかかる割合がいまだ高くなっています。

 欧米の食事に共通する他の要因もまた憩室症を促進しています。米国在住の4万人以上の医療従事者を対象にした研究では高脂肪の食事は食物繊維の摂取に関わらず憩室症にかかる危険性が高くなることが示されました。台湾における研究では、憩室症の危険性は過去の肉の消費量が多くなるにつれ、増加します(3)。ある説では肉の摂取は大腸壁を弱くする有毒な化合物を出す微生物の成長を促進するため、憩室症にかかりやすくなる(4)、と言っています。

参考文献

1.      Lancet 1979;1(8115):511-4

2.      Gastroenterology 1977;72(2)215-9

3.      Dis Colon Rectum 2000;43(10):1412-8

4.      Gut 1985;26(6):541-3





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